スペシャル対談

日韓友好ムード再燃で脚光浴びる韓国高麗人参 高麗貿易ジャパンとアルフレッサ ヘルスケアがパートナーシップを再強化へ 日韓友好ムード再燃で脚光浴びる韓国高麗人参 高麗貿易ジャパンとアルフレッサ ヘルスケアがパートナーシップを再強化へ

出典:ドラッグマガジン2022年9月号(株式会社ドラッグマガジン)

 韓国尹政権の誕生で日韓友好ムードが再燃しつつある中、同国の代表的商品である高麗人参が改めて脚光を浴びている。アルフレッサ ヘルスケア(AHC)はそうしたタイミングを促え、同国の高麗人参商品の代表的企業である高麗貿易ジャパンとのパートナーシップを再構築、同社品を専売商品として育成していくことになった。
その経緯と今後の取り組み策を、アルフレッサ ヘルスケア代表取締役社長の勝木尚氏と、高麗貿易ジャパン代表取締役社長の朴良基氏に聞いた。

(聞き手=株式会社ドラッグマガジン 取締役編集局長・西 健一郎)

6年根の高麗人参はアルフレッサ ヘルスケアの専売商品の条件にピッタリ合致

──高麗貿易ジャパンの企業紹介からお願いします。

 韓国には、以前から輸出入の管理業務を行う社団法人韓国貿易協会という組織があって、1965年当時の朴大統領時代に産業育成、特に中小企業育成の一環として、輸出入の際には政府が資金提供をしようと基金(韓国貿易協会)が設立されたりしたのです。そこで、その基金の管理も韓国貿易協会が行うようになっていた中で設立されたのが、高麗貿易ジャパンの親会社にあたる高麗貿易という会社です。ですから、当社は韓国貿易協会の100%出資の企業ということになります。
 日本には、85年8月に大阪に事務所が設けられ、86年3月に高麗貿易大阪として事業を開始、同年、高麗貿易ジャパンと社名変更しています。

──アルフレッサ ヘルスケアとの関係は、資料によると2015年に両社間で口座が開設され、16年10月には勝木社長が韓国を訪問し、同年12月に韓国農水産食品流通公社との業務協定の調印式(写真①)を行ったのを契機に、今日まで活発な交流が続いています。勝木社長は、高麗貿易ジャパンのどのようなところに魅力、ビジネスチャンスを感じたのでしょうか。

写真① 韓国政府機関との業務協力調印式(2016年12月)

勝木 極論を申しますと、高麗人参は韓国産が一番なのです。理由は土壌と気候が最適なところにあります。当社は周知の通り、あらゆるカテゴリーの専売商品を取り扱っており、全国の小売り企業さまに絶大な信頼をいただいています。当社の専売商品は、エビデンスがしっかりしている、季節性がない、製配販3者で利益が取れる、容易にまねができない──など四つの絶対条件を備えています。そうした前提を踏まえて慎重に吟味した結果、高麗貿易ジャパンさんの商品は信頼できるということが分かりました。
 もう一つの理由は、高麗人参には2000年の歴史があるということです。エネルギーの源である高麗人参は、中国最古の漢方薬物書に“五臓”を補うと書かれており、全身の機能が低下したときに、それを回復させる健脾作用があって、食欲不振、消化不良などに用いる──とあります。これは人間の身体にとって一番重要なことです。

──このタイミングで、高麗貿易ジャパンとアルフレッサ ヘルスケアとのパートナーシップを再構築しようと思われた理由は何ですか。

勝木 ご承知のように、韓国の前政権時代の日韓関係は戦後最悪といわれてきました。そのあおりで、当社と高麗貿易ジャパンさんとの関係も、2016年の韓国農水産食品流通公社との業務協定調印式以降、18年まではとても順調だったのですが、19年ころの日韓関係の悪化からわれわれのビジネスにも影響が出るようになってきました。
 しかし今回の尹政権になってからは、日韓関係は政治・経済ともにかつてのような関係に戻りつつあります。冒頭にも触れましたように、高麗貿易ジャパンさんが取り扱うドリンク剤やお茶類をはじめとする紅蔘力シリーズは、品質的にも飲みやすさといった点でもすばらしい商品ばかりです。せっかく高麗貿易ジャパンさんとこれまで積み上げてきたものを、この機会に改めて日本のドラッグストアのマーケットにもぜひ広めたいと思いました。

 当社の紅蔘力シリーズ品は全て6年根の人参しか使用しておらず、品質には絶対的な自信をもっています。それだけに、日韓関係の政情不安で影響を受けていたことを、とても残念に思っていました。今回、アルフレッサ ヘルスケアさまから積極的なアプローチをいただき感謝しているところです。

──高麗人参の製品化にあたっては、6年根でないといけないのですか。

 3年根でも4年根でも製品化は可能ですが、それだと人参の最重要成分であるサポニンの量や種類が少ないのです。また、6年根以上の人参でもだめなのです。
 高麗人参は、韓国内ではさまざまな地域で栽培されていますが、当社は韓国高麗人参の発祥の地といわれているプンギで栽培した高麗人参を主に使用しています(参考:写真②)。

写真② 韓国産6年根高麗人参

日本国内における販促強化でドラッグストアでの認知率向上に全力

──今後の国内におけるマーケティングや新製品開発の面で、何か新しいことをお考えですか。

勝木 まずは販売促進にしっかり取り組んでいきたいと考えています。高麗貿易ジャパンさんが取り扱う商品は、先ほども申し上げたように当社の四つの絶対条件を全てクリアしている商品ばかりなので、毎月第3木曜日に開催しているセミナーで、小売り企業さまにおいてはぜひとも推奨販売していただきたいとのメッセージを発信していく予定です。
 また、小売り企業さまには韓国の現地で高麗人参栽培の様子なども見学していただき、品質の良さを実感していただきたいと考えています。そういう草の根的なマーケティングの積み重ねで、着実に実績を積み上げていきたいと考えています。

──ここ数年、気象の温暖化による影響が世界的に叫ばれていますが、韓国内での高麗人参栽培には影響はないのですか。

 高麗人参は適度な降水量と涼しさがないと良い物ができないのですが、プンギは標高が高いこともあって、栽培にはまったく問題ありません。

──高麗貿易ジャパンから、今後のアルフレッサ ヘルスケアにどのようなことを期待されていますか。

 繰り返しになりますが、当社の商品は品質的にも、飲みやすさにも自信をもってお勧めできる商品だと自負していますが、日本国内のドラッグストアさまでの取り扱い実績は、まだまだだと考えています。つまり日本のドラッグストアさまにおいて、当社商品の認知はまだ不十分だと認識しています。しかし、われわれがせっかくいい商品だと思っていても、それを店頭でお取り扱いいただけなければ消費者の手に渡る機会が少なくなり、消費者からのニーズも得られにくくなります。先ほど勝木社長から、今後の当社品のマーケティングについて心強いお話がありましたが、そうしたアルフレッサ ヘルスケアさまの取り組みで、当社品の評価が一段と高まることを期待しています。

勝木 小売業さまも今後の生き残りのために、一層の差別化戦略を考えていらっしゃいます。そもそも専売商品というのは、そういう戦略にお役立ていただきたいという位置付けの商品です。ですから、当社からの提案に対して、個々のドラッグストアさまがどれだけ納得されて推売しようとお考えいただくかに尽きるのです。
 高麗貿易ジャパンさんの商品についても、そういう視点からご理解いただき、1社でも多くのドラッグストアさまに、自社の推売商品へ育成していこうと取り組んでいただければと思っています。